ファクタリングは貸金業に該当せず、簡単に新規参入できる特性から悪徳業者が多いのも現状です。
過去にはファクタリング会社が摘発された事例もあります。
摘発された理由や悪質業者の手口、利用する際の注意点をまとめました。
2017年1月に東洋商事(資本金200万円、東京都港区本社登記)とグループ会社の「MINORI」という小さなファクタリング会社が検挙されました。
ファクタリング業界は以前から悪質業者が多いことで有名でしたが、実際に摘発されたのは東洋商事の事例が全国で初めてです。
同社はホームページで5%~の安い手数料を明記しますが、実際に相談すると相場よりも高い20%以上の手数料を提示し、そこからファクタリングは年利に直すと高いけど、融資での対応もできると説明して集客していました。
貸金業の登録は行っていなく貸付金利も利息制限法および出資法の上限金利を超える違法な貸付行為です。
逮捕容疑は三重県鈴鹿市の会社経営者2名に対して40~50万円の違法な貸付をした疑い。
このほかにも合計250社に対して総額3億円の貸付をして1億円の利益を出していたと見られています。
つまり、東洋商事は違法な貸付をする闇金で、ファクタリングの名目でホームページから集客し、問い合わせに対して、ファクタリングではなく融資を提案していました。
闇金の隠れ蓑としてファクタリング会社を装った運営をするのは他にも存在しています。
必要な認可がなく簡単に新規参入できることと、ファクタリングに相談する企業や経営者の多くは銀行や信販会社などの正規業者からの融資を受けられないことを利用した違法運営です。
一部のファクタリング会社では、貸金業の登録を行い、融資とファクタリング、その他手形買取や在庫買取など複数の資金調達サービスを提供していることがあります。
問い合わせをする際は貸金業の登録可否を確認し、もし登録していない業者から融資の提案をされれば、それは闇金です。
甘い言葉で誘導してきて、実際に借りると闇金ならではの悪質な運営でお金をしぼり取ろうとしてきます。
運営期間や実績を調べて相談する業者を選べば、闇金へ誘導されるリスクを回避できます。
東洋商事とMINORIの摘発は、悪い意味でファクタリングを世間に知らせることになり、未だにファクタリングに対して世間へグレーなイメージを与えています。
中小企業は3社間ファクタリングの同意を得るためのハードルが高まる要因になりましたが、ファクタリング業界全体では悪質業者が浄化される良いニュースになったと好感する動きもあります。
ファクタリングは依然から闇金の違法な貸金業の運営が問題視されていました。
実際に警察が動いて摘発したことで、同様の行為を行っている悪質業者への見せしめになっています。
摘発事例ができてからは、法人登記を確認できる業者というだけで貸付行為をしている可能性は極めて低いと判断できます。
一部で残っている違法な貸金業務を行うファクタリング会社は、法人名を開示しなかったり、架空の法人で運営していることが多いです。
ネット検索で登記情報を調べる一手間を加えれば、悪質業者にひっかかるリスクを緩和できます。